頼清徳副総統が28日、台湾の少年野球世界一50周年の記念イベントに出席し、当時、「巨人少年野球チーム」が国際的な栄誉を勝ち取ったことを改めて称えた。写真はあいさつする頼副総統。（総統府サイトより）

頼清徳副総統が28日午前、台湾南部・台南市の安平古堡（ゼーランディア城）熱蘭遮城博物館前広場で開かれた「巨人50　南峰再現－巨人少棒世界冠軍50周年紀念」記者会見に出席し、当時、「巨人少棒隊」（以下、「巨人少年野球チーム」）が台湾のために戦って国際的な栄誉を勝ち取ったこと、そして台湾に野球の発展をもたらしたことは多くの人々にとっての美しい思い出だと語った。「巨人少年野球チーム」は台湾南部の優れた少年野球選手によるチーム（「台南市巨人少棒隊」とも呼ぶ）で、初代のチームは50年前の1971年、米国ペンシルベニア州ウイリアムズポートで開かれたリトルリーグ・ワールドシリーズで優勝した。

28日の記者会見は、その優勝から50年となることを記念し、財団法人工業技術研究院（ITRI）などが野球とテクノロジーを結び付けた体験イベントや「巨人少年野球チーム」の歴史的文物の展示会を開くのに合わせて行われたもの。

頼副総統はあいさつの中でまず、「工業技術研究院、台南市、その他各界は協力して『巨人少年野球チーム』が世界王者となった日から50年後の今日、この記念イベントを開き、多くの野球ファンの記憶を呼び起こしてくれた」と述べて感謝。続いて会場にそろった初代「巨人少年野球チーム」の元メンバー、呉誠文さん、葉志仙さん、沈清文さん、陳金鉛さん、呉智雄さん、魏景林さん、及び当時のマネージャー蔡順全さんを紹介し、これら元メンバーらに敬意を示した。頼副総統は、彼らはかつて台湾のために戦い、国際的な栄誉を勝ち取ると同時に台湾社会を安定させたと指摘（1971年には米国が中国に接近。10月には国連でアルバニア決議が採択されるなど台湾は国際的に不利な立場に追い込まれつつあった）、台湾に野球の発展をもたらし、野球を台湾の「国球」（代表的球技）にしたとして「貢献度は非常に大きい」と称えた。

頼副総統はさらに当時の決勝戦における緊張した場面を振り返り、「巨人少年野球チーム」は序盤リードを許したものの、1点また1点と追い上げて世界王者に輝いたと指摘、この好ゲームは相手がどれだけ強く、自分たちがどれだけ劣勢に立たされても、あきらめず全力で立ち向かえば必ずや難関を乗り越えられ、最大の勝利を勝ち取れることを教えてくれたと説明し、「これこそが『巨人少年野球チーム』の精神だ」と語った。

最後に頼副総統は、今年の東京オリンピックでメダルを手にした選手たちの背後には専門的なサポートチームがいたほか、トレーニングにはテクノロジーも取り入れられていたとして、ピッチングやバッティングなど野球の練習にもテクノロジーを導入出来れば必ず台南市における野球の実力と人気を高められるだろうと期待した。

あいさつの後で頼副総統は会場のゲストたちと一緒に50周年を祝うセレモニーに参加すると共に、「巨人経典文物展」（「巨人少年野球チーム」の歴史的文物展）を参観した。

出典:TAIWAN TODAY